NORTH WAVEの放送事故に思う日本の放送法の厳しさ

北海道の県域FM局、FM NORTH WAVEで録音番組が途中から流れるという放送事故が起こった。
以下、Yahooニュースから一部引用

北海道のFM局「NORTH WAVE」で30日夜、無音状態が続いたことが同日、わかった。午後10時から放送された「Brand New Express」で、radikoのタイムフリー聴取では午後10時28分ころから約10分間にわたり無音状態となっている。またFM電波の放送では約5秒間程度無音となり、その後緊急の音楽が流れたことがSNSで報告されている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0c151770138eec0eb7b3e2ee92d93e6c5a3a2873

リスナーの反応

制作スタッフの登録ミスと確認ミスによる事故?

筆者が推測するに、番組制作スタッフが番組データに入れる番組開始の信号(スタンバイキュー)とCMを入れる信号(CMキュー)を打ち間違えてしまったのが原因と思われる。
また番組を配信サーバーに登録するスタッフも信号の位置を確認しなかったか、見落としてしまったため防げなかったのだろう。
※登録も番組スタッフがやっている可能性もある。

上記の理由から番組の中盤で入れるCMキューの部分にスタンバイキューを入れてしまい、配信機器がそこを放送開始の位置と認識し途中から番組がスタートしてしまい早めに終了、その後無音になってしまったのだろう。

二重三重のチェック体制も必ずミスは起こる

筆者が放送局に出入りしていた10年前に比べ、放送機器も進化し放送事故が発生する率は格段に減っているとは思うが、人間の作り出すものだから必ずミスやエラーはある。
壊れない機械、完璧な人間などこの世に存在しないのだ。

だから、放送局も人によるチェックを二重三重にする体制にしているが、それでも事故は起こる。定期的に機器のメンテナンスをしていても壊れるときは壊れるし、想定外の事は起こるものだ。

ラジオ局は無音10秒前後でアラーム。15分以上の停止は総務省に報告義務

放送法によると

認定基幹放送事業者、特定地上基幹放送事業者、基幹放送局提供事業者、登録一般放送事業者は、設備に起因す
る放送の停止その他の重大な事故であって総務省令で定めるものが生じたときは、その旨をその理由または原因と
ともに、遅滞なく、総務大臣に報告しなければならない。(放送法第113、122、137条)

ラジオ局はその局の規定によるが10秒前後の無音が続くと、局内にアラームがなりフィラー音楽(穴埋めBGM)が自動で放送される。
筆者が放送局で働くことになった初日に、無音の重要さを先輩から教えてもらった時は「そんなに厳しいものか」と感じたものだ。24時間300日以上放送をしているのだから10秒の無音なんてしょっちゅうあるものだと思っていたが、それが許されないという事実にプロ意識を覚えたし許認可事業の厳しさを知った。

なお、筆者が仕事中に聴いている米軍のラジオ局AFNは、日本国内より電波を出しているが国内の放送法は適用されない。
仕事中に垂れ流しで聴いているが、10秒以上の無音や曲の途中でカットアウトし突然ニュースが始まるといった日本のラジオ局では考えられないことはしょっちゅうある。
また平日の日中に大規模なメンテナンスをすることもあり一日中停波することもある。


国が違えば適用される法律も違うのは当たり前だが、AFNを聴いていると日本ほど厳しくないと感じる。

事故と言うけれど怪我はしないのが放送事故


今から書くのはあくまでも私の主観であり、一意見である。
一般的に事故といえば、怪我などが付き物だが、この放送事故に限っては事故といわれるものの痛くも痒くも無い。
CMの事故であればスポンサーに迷惑がかかるが、スポンサーも損害があるわけでもない。

事故を起こしてしまった関係者は心情的、精神的には辛いかもしれないが、正直言って誰にも迷惑がかからない。
ラジオに関わる人間がこういうことを書くのも問題があると思うが、筆者としては放送事故はニュースにするような事では無いと思っている。

実際に今回のNORTH WAVEの方法事故も楽しみにしていたリスナーには残念な思いをさせてしまったが、放送事故による実害、精神的な苦痛はあっただろうか?
関係するスポンサーに損害を与えただろうか?

答えはゼロだ。

その辺の解釈が日本とアメリカの違いもあるのだと思う。
アメリカは合理的に考えているのではないだろうか?放送事故によってリスナーに苦痛を与えたり、関連企業に損害を与えるのなら厳しく報告の義務を科すのだろうが、ちょっとした無音、スタッフのミスや機器の故障による事故に関しては関知しないのであろう。

電車が1分遅れただけで駅員があやまるような日本。放送ももう少し自由にゆったりできないものだろうか。