コミュニティFMのエフエム上越が事業譲渡を検討

今年9月のニュースなのだが、お伝えしようと思う。

新潟県上越市は同市の第3セクター、エフエム上越について、民間への事業譲渡に向けて売却交渉を進めていることを、開会中の市議会で明らかにした。同社はここ数年、累積欠損が資本金の半分を超えるなど厳しい経営状況が課題となってきた。

エフエム上越は、上越市の一部などを放送エリアとするコミュニティーFM局で、市が51%を出資。2019年度の決算では58万円の黒字となったが、累積欠損金は3135万円に上り、資本金(5000万円)の約6割となっている。また、売上高4102万円の約半分は市からの放送委託料。
上越タウンニュースより引用

もともと市町村単位という放送エリアの限られたコミュニティFM放送が、その狭い商圏の広告料のみで経営するのは無理がある。
その為、多くのコミュニティFMは行政からの補助金や親会社からの資金的援助を受けて放送(経営)を続けているのが実情だ。
そんなコミュニティFMだが、災害時の情報伝達手段として見直されることもあって、今でも年間数局が開局をしている。

コミュニティFMは儲からない

1980年代後半に首都圏や関西圏などで続々とサービスエリアの広い県域FM局が開局し、バブル期と言うこともあってかなりの売り上げをあげていた。当時は「ラジオは開局すれば儲かる」的な神話みたいなものがあって、その後のコミュニティFMの開局ラッシュに続いていく。しかしその頃にはバブルも崩壊し時代は不景気へ突入。
行政とは無関係で開局した純民営のコミュニティFMは体力的に続かず閉局する局が続出した。

放送の広告料だけでは厳しい現実

県域のラジオ局であれば20秒のCMを1回放送するのに数万円~数十万円の広告料が取れる。だが商圏も狭く広告クライアントの企業規模も小さいコミュニティFMは1回1000円~3000円程度が限界だ。中には1回500円なんて局もある。
またラジオCMは印刷物やインターネット広告とは違い、見えるわけでもなくどれだけの人数が聴いたかも確認できない。チラシやフリーペーパーは発行部数、ネット広告であれば閲覧数でクライアントに提示ができるが、ラジオ広告はざっくりした数字でしか提示できず売り辛いのもあるだろう。

電波を出し続けなければいけない

許認可事業である放送業は常に電波を出す必要があり(一部例外もある)広告が無いからと言って電波を止めるわけには行かない。さらに広告で収益をあげるためには番組も作り続けなければいけない。
そのため、前出のエフエム上越のように開局からの累積赤字が増え続け閉局に至る所が多い。
2020年も岡山県のエフエム津山が閉局をしている。

とまあ、コミュニティFMは儲からないのだが、未だに参入する企業もあって開局が続いている。それぞれの局に経営理念があって開局に至っているのだとは思うが、放送だけでは飯が食えないのは事実。
新規開局する局や既存の局が、これからどのようになっていくか見守っていこうと思う。