日本のデジタルラジオはどこへいった?

15年ほど前だっただろうか筆者がまだ放送局で働いていたころに日本でもデジタルラジオの実験が進んでいた。
曖昧な記憶なのだが、当時は確か東京タワーから各局(FMは2つの局で1波)がそれぞれ電波を出していたかと思う。

小型の受信機も開発され当時の携帯電話の1機種にも搭載されていたことを覚えている。

アメリカでは既に普及していた

ラジオ大国のアメリカでは当時既にHDラジオという名でデジタルラジオは普及をしていて、カーラジオなどにも多く搭載されてクリアな音質で放送していた。
HDラジオはアナログの電波とデジタルの電波を同時に送信できるため、デジタル化への移行が容易だったそうだ。また受信機側でもデジタル放送のエリアから離れると自動でアナログ放送に切り替わるという優れた特徴もある。
そんなこんなで2007年の時点でアメリカの9割のラジオ局が既にデジタルラジオに移行をしていた。

電波の形式で統一できず断念した日本のデジタルラジオ

では、なぜ日本のラジオ局は2020年の今でもデジタルラジオになっていないのか?
筆者が当時感じたのは、日本独自の電波形式を推進する局と既に普及しているアメリカ式を推進する局が存在し、統一できなかったのが一つの要因だったと思う(あくまでも筆者の推測)
電波の形式が決まらないのであればメーカーも受信機を製造できない。
また独自の電波形式ではメーカーも販売する市場が日本国内に限られてしまい、売り上げが頭打ちするのが目に見えているため参入しなかったのもあるかと思う。

確か、独自の形式はちょっとした映像(ワンセグみたいな)も配信できた。
そういった新たな電波の既得権を作ろうとしたのではないだろうか??(MOディスクのように・・・)

当時の筆者は既に普及しているアメリカ方式を採用すれば良いと思っていたのだが、それぞれ大人の事情があったのだろう。
その影響が今でも残って未だにデジタル化されていない。

そうこうしているうちにラジオ局も経営が厳しくなり、デジタル化なんてできなくなってしまったのではないだろうか?

スタジオの機材はデジタル化が進むが電波はアナログ

開局から20年~30年もすれば放送機器は古くなり更新がある。その際多くの局は安価なデジタルの機器を取り入れている。
日本ではデジタル機器で作られた番組がアナログに変換され電波としてリスナーへ届くという不思議な構造なのだ。

国はAM局のFM補完放送(ワイドFM)を推進するより先に、デジタル化に国費を投入すべきだったのではないかと筆者は今でも思っている。